唐沢岳幕岩 大凹角ルート

 

日程:2012/8/24夜〜26

山域:唐沢岳 幕岩

ルート:大凹角ルート

A山(L)、H本(記)

 

8/24

22:00に東京駅八重洲口でA山さんと合流。縦走に行かれるぶなの会の女性と3人で出発。出発したとたん中央高速につながっているはずの首都高が工事通行止めでなぜか銀座に到着。金曜日の夜の銀座はすごいタクシーの渋滞中。そこに突っ込んでしまった。あ〜あ、先が思いやられる。

となんだかんだしながら、七倉に到着。そのまま、車中で仮眠。

 

8/25

7:00 ぶなの会の女性と別れてタクシーで高瀬ダムへ。高瀬ダムからは幕岩がはっきりと見えた。

ここで、靴を沢靴に履き替える。先週の沢でH川さんにいただいた沢靴が大活躍。H川さん、ありがとうー!

沢に沿ってどんどん上流に向かっていく。簡単な沢です。途中、何度も滝に出会う。沢なら登ってみたい気もするが、今回は、沢はおまけなので、滝は高まきをしながら進む。

高まきにはボロボロのロープがかかっているが、真っ黒でとても引っ張る気にはなれない。

と思うのだが、金時の滝を巻く高巻きはゴボウで降りるしかなく、どきどきであったが今回はセーフ。

最初の滝 右岸にフィックスあり

 

金時の滝の大高巻き。結局アルミはしごは登らず。

 

 

 

 

 

 

ワシの滝。わかりにくいけど左岸を巻くと途中からフィックスあり。

沢を詰めすぎるとフィックスからはずれるので小尾根を目指す感じ。

 

 

どんどん登っていくとついに目の前に幕岩が見えた。

 

登っている姿はこんな感じである。なかなかの急登である。20キロを背負っての登りはかなりきつい。

ワシの滝の上

とすらっと書いたが、実は道が分からなくてあっちの藪を覗いたりこっちの藪を覗いたりしながら結構右往左往しながら4時間をかけて到着した。もともとは川の横を通る道があったようなのだが、最近は唐幕に来る人は少ないようで、すっかり、自然に返ってしまっているようである。

我々はほとんど川を歩いて行ったのだが、巻き道の入り口すら分からなくなっていた。

そして、上の写真のところを登って最初にであう細い涸れ沢を50mほど登って、右の藪に入ると最後に右の藪に入ってガレ場を登ると大町の宿に到着である。

大町の宿はなかなか立派な岩小屋である。横にはパイプが突っ込まれていて先からは水が出ている。この水は一年中涸れないそうである。

 

 

 

A山さんと相談し、疲れ具合から今日は偵察だけにして、明日登る事にする。

大凹角の取付きは、大町の宿からさらに30分ほど登ったところにあった。取り付きは、ひしゃげたハーケンにボロボロのシュリンゲがかかっていた。

 

これが1ピッチ目。フェースから凹角を登る。

 

最近、あまり登られていないからなのか、なんだか、こけこけである。

今日は、ここで終わりにして明日に備えて寝ることにする。A山さんはアルコールを飲んですっかり気持ちよくなってそのまま寝てしまいました。でも、テントの中より気持ちよかったかも。

 

 

8/26

3:00 起床。できるだけ早く取り付けるよう薄明るくなる4時には出発できるように準備をした。でも、意外と夜明けが遅く、結局、取り付けたのは5時半になっていた。

1P目(A)30m

コケが付いて草の生えた岩を登っていく。見た目より乾いていて滑らない。もともと、凹角なので、水が流れる構造だということを考えると今日のコンディションはベストに近いようだ。

 

2P目(H)20m

洞窟テラスを目指してスラブを登っていく。傾斜が落ちると急にピンがなくなる。目標が見えるので、ルートをはずすことはないが、ピンがないので怖い。濡れていたらとても怖くて登れないだろう。

 

3P目(A)40m

洞窟の左壁からスタートし、洞窟の上を通過して右上してボサテラスを目指していく。なかなかのグレードなのだが、A山さんはフリーで登っていく。すごいなあ。(A山追記:10aくらいです。でも通常はぬれていることが多いらしく、以前行った人に聞くとヌルヌルだったそう。)しばらくロープが伸びていったのだが、伸びが止まる。迷っているようだ。結局、正しいかどうかわからないが到着。上がって行くとボサテラスのようなそうでないような。左下を見ると終了点が見える。でも、こちらの左にもピンが見える。その先は草が生えたカンテで先が見えない。う〜ん、分からないけど行ってみようということでピン通りに次に進むことにした。

洞窟左から登るピッチ。右にトラバースしたらボルトベタ打ちの快適なフェース

 

 

確信がもてなかったところ。画面中央下にビレイ点があったので。

 

実は確信持っていなかったところ。

 

4P目(H)10m

先はよく見えないがとりあえず左のピンを目指して進む。(A山追記:トポではバンドを左にトラバースとあるが、そんなバンドはない!)さらに左を探るとピンがあった。よしよしと草の生えたカンテを超えると終了点発見。そこを超えると急に上向きに曲がっているのでという理由でそこで切って、A山さんに来てもらう。上には黒いジェードル。ルート図通りである。

 

5P目(A)30m

黒いジェードルはピンが見当たらない。クラックにカムをかましながら真ん中やや右から左に抜けていく。

(A山追記:終了点がここにもあったこと。登っているとピンはないけど、ルートがつながっていることが確認できたことの二つでルートに誤りがないことが確信できた。それまでは正直、疑心暗鬼だった。)ジェードルの上は、簡単なカンテをほとんどノーピンで登りきってテラスに到着する。

上の写真の凹角を抜けると、下の写真で見えているオープンブックが現れる。

ここを登ることもあるようだが、最後のトラバースがやばそうだったので、上から見て左のカンテを登る。 

残置はほとんどないけど潅木でランニングは取れる。

 

 

 

 

5P目(H)

上部の潅木帯の林を目指してピンのほとんどないスラブを登っていく。

 

 

6P目(A)60m

潅木帯を抜けて黒い凹角の基部を目指す。途中、潅木の中をロープを引きずりながら登っていくため、むちゃくちゃロープが重い。

 

7P目(H)10m

大チムニーは左の壁を水が流れ落ちている黒いチムニーである。基部から右の壁を人工を交えながら登っていく。登ったところに終了点があるがここを通過してチムニーの内側にある終了点を目指す。最後が濡れていて滑りそうになりながら終了点に到着。そこは、上にチョックストーンのあるテラスだった。

 

8P目(A)15m

なんとここまで、A山さんは全く人工を使わずフリーで登ってきたらしい。すごいなあ。で最後のピッチもフリーで行こうとしたが、湿っている上にホールドにしたいちょうどいい位置に巨大な浮石がある。しかも、支点にはリングがなく、腐ったシュリンゲがあるだけ。結局あきらめてA山さんも最後は人工で登っていきました。

(A山追記:それまでずっとフリーで来たので、かなり迷ったんですけど、時間も時間だし、岩を見ていてムーブもイメージしづらかったし、登り始めのカチがべったりぬれていたのでフリーはやめました。)

なお、この巨大浮石は私がそっと足元に下ろしたのですが、あまりの重さにずるっとずれてテラスの入り口付近でとまりました。ああ、こわっ!いっそ落としたほうがよかったかなぁ・・・

さらにセカンドの私がリングの替わりに付いていたシュリンゲにアブミを掛けたとたん、ぶちっと切れました。セカンドだったのと、腐ったお助けテープに引っかかって止まったのですが、初めて切れました。ああ、怖かった。

(A山追記:フリーでいけず残念でしたが、これを読むと結果的によかったのかもしれません。ちなみに乾いていれば後ろの壁にステミングできるし、トポどおり10bくらいなのかもしれません。)

びびりが入って最終ピッチ登りきるのが大変でした。

 

8P目の終了点から右に回りこんだところに右稜の頭と思われる安定した場所に出た。

そこから下降点を探したが見つからなかった。A山さんも一緒に探したところ、ずっと下がったところに下降点を発見した。A山さん、なんていい勘!

(A山追記:直近で行った人に左に20mと聞いていたので、まずは左のほうを探しました。
西壁ルンゼルートまで行ってしまったので、おかしいと思い、わずかな踏み跡を追い下のほうを探ったところありました!結果、終了点から右に10m回りこんで、それから下方に30mが正しいと思います。)

 

 

そして、懸垂下降開始。よく分からないのだけどA山さんの勘が冴えて全てぴったり。

ついに懸垂を終了。

(A山追記:懸垂点らしきものはいっぱいあります。でもそれぞれで切っていたら、20mくらいづつになってしまうので40mくらいから50mくらいまで伸ばしました。それでちょうどいい具合にあったので「ビンゴ!」と一人で叫んでいました。)

 

 

15:00 登攀終了。

そこから、大町の宿に戻り、荷物を撤収して、ダムに向かって16:00に下降を開始する。

だけど、私もうヘロヘロでした。

なんとか、A山さんに助けられながら高瀬ダムに着いたのが、19:01。七倉のゲートがしまるが19:00ということでタクシーはもう終ってました。仕方がないので、七倉を目指して歩き出したのですが、歩きだと8時を超えてしまいそうということに気づきました。ヤバイ、最終下山報告時刻に遅れてしまいそうだと大慌てで歩きました。A山さんは最後走っていました。1時間と言われたところを45分で歩きました。

七倉の駐車場は携帯が入らないので慌てて荷物を積んで車をスタート。

電波の入る場所まで戻ったところで、各所に連絡しました。8時はちょっと過ぎたけど連絡がついて、ぶなの会の女性とも大町温泉で合流。

A山さんはぶなの会の女性と車で東京へ、私は、大阪に帰れないため、松本駅前で一泊(スーパーホテル朝食つきで\5,980)。翌日、大阪へ帰りました。

 

今回、東壁ルンゼの練習として唐幕にいくことにしたのだが、あまり人が入っていないということでルートファインディングが難しい山行となったが、山中にたった二人の貸切ということで自分たちのペースで登攀ができました。

A山さん、今回もありがとうございました。毎度、お世話をかけますが、また、よろしくお願いいたします。

 


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