前穂高 屏風岩 雲稜ルート

  2012/07/29-7/31 

 

メンバー:S山、S形P  K田、H本、T田P

 

7月27日 22時京都駅発

7月28日 3時平湯着 6時発(宝タクシーにて) 

6時45分上高地発 11時30分横尾着

7月29日 3時10分発 3時40分渡渉点 5時30分T4取付 

7時10分雲稜取付 16時45分登攀終了 

18時30分屏風の耳  19時2400m付近でビバーク

7月30日 5時ビバーク地発 7時25分涸沢着 

涸沢8時発 10時横尾着 

12時横尾発15時上高地着 

帰阪(K田は小梨平泊)

 

 

梅雨明け十日は晴れるという言葉通り、すがすがしい天気のもと、雲稜ルートを登ることができました。

 

7月29日は横尾泊。渡渉ポイントの確認をして軽く?宴会。早々に就寝。(K田さんからいただいたサラミがおいしかったです)

7月30日 2時起床3時10分出発。岩小屋跡から渡渉。一番深くて股下で、丑三つ時にこんな冷たい水に抵抗して川を横切るのは初めての体験で、ここで溺れてはなんの意味もない、と思い、ただただ必死。1ルンゼ押し出しに登れたときは早々に一仕事終えた気持ちだった。ガレた道を進み、夜露で濡れた草つきを登るとT4取りつき。左手には雪渓が残っていて、その白さは夜明けの眼には刺激が強く、冷気なのか武者震いなのか、きゅっと震える感じがする。

T4尾根 S山S形Pが登る間に準備し、5時30分登攀開始。正直言ってあんまり覚えていない。スラブやルンゼとブッシュだらけの壁を登って草や木をワサワサとかき分けて雲稜の取付に出たと思う。

ぱっと開けた視界に1ピッチ目のジェードル。超感動。すごい、なんて素敵な造形。(でも取付きはとっても臭かったです。。。)S山さんがすでに登っておられていて、かっこいい!とかなんとか思ったままの事を言葉にしては、騒いでしまう私。すでに大興奮なのだが、私はセカンドなのでさっさと登らなければいけません。K田さんがリードされるのをじっと観察。その後私の番です。ひたすら登る。クラックと上部のハングでかなり力を使ってしまう。

2ピッチ目は右に上がって左の段々になっているところを登るルート。K田さんリード。扇岩テラスに出ました。扇岩っていうからどんなところだろうと思っていたら、衝立てにはさまれたような感じになるのですね。足場がしっかりしているので少し安心。

3ピッチ目からはH本さんがリード。つるんとしたフェースが待っていました。アブミでするするっと登っていかれてコール。セカンドで登っていく。リングボルトはどれもこれも錆びていて、アブミをかけるのもロシアンルーレットである。紫外線で劣化しまくったスリングがかけてあるが使用するにはこわすぎる。K田さんから衝撃かけないよう、そーっとアブミに乗り込むようにと声がかかる。じわーっと乗っては次のピンに体重を移動。それを繰り返していく。嫌な汗が出る。

4ピッチ目、もっとおそろしい感じのアブミルート。こちらも腐りかけスリングと錆び錆びボルトのオンパレード。ハング下までA1、右ハング下トラバースからはA0も交えながら越えていく。高度感があると聞いていたが、ほんとにそうでした。穂高の山麓で宙に浮いているよう。バランスを崩さないよう壁にへばりついて終了点へと登った。

5ピッチ目からはルンゼのスラブ。この言葉の意味が本では分からなかったが、一目瞭然だった。この先のスラブはどれも勘弁してほしいくらい怖かった。終了点のリングボルトも錆び錆びで真っ黒になっており、静荷重とはいえ3人の体重がかかると思うとつい岩にしがみついてしまった。最後のスラブまではH本さんがリード。大テラスに上がる草つき泥壁はK田さんがリードされ、私は上部に行くほどに疲れもあって力も入らず、バランスも悪く、ただがむしゃらに登りました。

大テラスに出た時は、無重力に投げ出されたようにほっとしたけれど、ここからが第2幕のはじまりでした。低灌木と這い松の藪漕ぎをして屏風の頭を過ぎ、屏風の耳に出た時、すでに18時30分。見上げるとあちこちで雷鳴と稲光が。ビバークは仕方ない、でも稜線ビバークは怖い。薄暮の稜線をできる限り歩く。少しでも低いところへ行きたいと思った。ちょうどおあつらえ向きの整地された土地を発見。19時ビバーク。ツェルトを設営して3人で寝転ぶ。22時くらいまで話をする。

結局、覚悟していた雷雨は頭上を通ることなく、高度2400mにしては寒くもなく比較的熟睡できてしまいました。さらには爽やかな朝を迎え、ビバークしなければ見れない穂高の朝焼けが目の前にありました。

ビバークはね、こんなに楽しいときばかりじゃないんだ、普通はもっと苦しいものです、とK田さんから何度も指摘を受けました。少しビバークを楽しみすぎたようでした。

5時出発パノラマコースを通って涸沢へ。槍穂高が一望です。こんな早朝にこの角度から穂高連峰を眺められるのも、ビバークした者の特権?と言わんばかりの風景でした。7時25分涸沢着。雲ひとつない絵に描いたような涸沢カールを見ながら、少しビールを飲んでから横尾に下っていきました。

10時横尾着。S山さん、S形さんに報告をして、横尾山荘でカレーを食べました。ただのカレーでしたが旨かった。でもH本さんが食べたラーメンの方が美味しそうでした。

 

私自身の反省は山ほどあります。一言でいうとなにせロープワークが遅すぎ下手すぎました。もっと練習しなきゃ、と思いました。

ただそれにもまして無事に下山できたことを感謝しています。下山しながら屏風フェスティバル、なんて命名したくらいの楽しさでした。

みなさんありがとうございました。

 


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