穂高 屏風岩 雲稜ルート

 

日程:2012727日夜〜730

山域:穂高 屏風岩

ルート:雲稜ルート

S山・S形P、K田・T田・H本P

 

727

9時半に京都駅集合。の予定が、H本が遅刻!みんなを20分も待たせたてやっと到着。

屏風岩 雲稜ルートは、2008年のお盆に行こうとしたのだが、先行パーティが詰まっていていけなかったルートである。今年、K田さんから雲稜に行きましょうとお誘いを受け、行くことができました。

いつも一緒にアルパイン練習をしていただいていたT田さんを交えて3人で登ることになりました。

さらに、721日に予定していた山行が雨で流れたS山さんとS形さんも同乗いただいて、京都を出発。

京滋バイパス〜名神〜東海北陸道の飛騨清見ICから国道に。高山でいつものコンビニに。しかし、コンビニのおにぎりなど食料類がほとんど売り切れ。こんなこともあるんだと思いつつ、なんとか食料を仕入れて平湯バスターミナル前の宝タクシーの駐車場へ到着。駐車場の横に幕営して予約した6時まで3時間ほど仮眠。

 

728

6時に起床。既に到着している予約した宝タクシーの運転手さんを待たせてテント撤収してタクシーで上高地へ出発。いつも通り安房トンネルを抜けて上高地に到着。ここで、K田さんと合流。やあやあ、久しぶりなんて言っていると背中を叩かれて、振り返ると嫁が。嫁は、ランニング仲間と蝶〜大天井〜燕と縦走の予定。

さわやか信州号で到着して準備中。こちらも、準備をしてほぼ同時に出発。今日は、横尾で幕営して偵察だけなので、ゆっくりと歩いていく。

 

 

 

 

のんびり歩いて10時半過ぎには横尾に到着。幕営。

 

さっそく、小宴会開始。ちょっと木陰でごろり。いやいや、このままでは、なにもせずに終ってしまうとがんばって、渡渉点を確認に。まだ、7月の末ということもあり、やや水量も多いが渡渉点を決める。

渡渉点を決めたらさっさと帰って明日に備えるという名目で小宴会再開!

いつも通りK田さんのおいしい食材が続々と登場。そのまま、夕食になだれ込みんで、1日目が終った。

 

 

 

729

以前の教訓から早く取り付こうと2時起床、3時過ぎに出発した。昨日、確認した渡渉点をわたる。大よそ、股下ぐらいの水量である。

暗い1ルンゼ押出しをつめて行く。私にとってはいつもの風景になりつつあるこの光景もT田さんには新鮮だったようである。彼女はこの後次々といろんなことに出会うこととなる。

大よそ2時間掛けてT4の取り付きに到着。いつも、秋山さんと約1時間で登って行くのに比べれば今日は少々ゆっくりである。

さっそく、準備しS山・S形Pが5時過ぎにスタート。

 

T4 1P目(H)

いつもの滑りそうな一歩からT4の1Pを登りだす。

1P目は何度か登っているのだけれど、いつも出だしの数歩が怖い。その後は比較的大きなホールドを使って登っていける。昔はこのくらいのピン間隔でも遠く感じたものだが、最近は慣れてきたのかこんなもんかと思える。T田さん、K田さんで登ってきてもらう。

 

T4 2P目(H)

ここも出だしなんだかピンがなくて嫌な感じだがすぐにピンが出てくる。そのあとは、ガバをがばっとつかみながら進む。林の入り口辺りで落石をしないように注意をしながら大きく曲がるところにある支点まで進む。

 

T4 3P目(H)

ここから林の出口まで大よそ60mである。今回、K田さんのロープも私のロープも60mなので林の中をロープを引きずりながら出口の支点まで進む。

距離は十分届くのだが曲がっている林の中をロープを引きずって歩くので、とても重い。

出たところで右を見ると黄色い花の向こうに東壁ルンゼが見える。

上を見ると、屏風の東壁の全景が見えている。

 

 

T4 4P目(H)

最後のチムニーを登ってT4に到着である。4年前、K田さんとこの終了点でレスキューシートを被っただけで雨中のビバークをした。とても寒くて朝が来るのを待った記憶がある。

 

既に、S山さんが雲稜の1P目を登っている。続いてS形さんもスタート。

こちらも準備して、スタートである。

 

1P目(K)

昨日、K田さんと相談し、1P目、2P目をK田さん、3P目、4P目、5P目をH本、6P目、7P目をK田さんと決めておいた。雲稜1P目は有名なジェードルV級である。登っている姿がとてもかっこいい。

核心部分はあっさりとアブミで通過していった。

 

2P目(K)

1P目終了点から1段上がったところを右に進むとピナクルのあるテラスを通過する。さらに右へカンテを超えていくとちょっと厳しいフェースをアブミで右斜めに上がったところがテラスになっている。ルートはここから左に曲がって扇岩テラスに到着する。

 

 

扇岩テラスからは、東壁ルンゼのハングが見える。

 

3P目(H)

ここで、ロープを結び替えてリードを交代。雲稜ルートの核心と言われるパートである。

下からみるとリングがなくなってシュリンゲに替えられているピンがたくさん見える。

以前ならとても怖かったと思えるが、今は東壁ルンゼのおかげで結構なれてしまった。

リングのないピンはナッツでタイオフしながら進む。すぐ左にペツルにハンガーがあるので、ここにクリップしながら進めるので安心である。突き当たりの終了点で切る。ハンギングビレイになるので、ちょっと腰に来る。

 

4P目(H)

ビレイ点を右に渡るともっと安定しているきれいな終了点が。こっちが正解だったなあと思いつつ、上をみると黒いテープが。きょろきょろしてみるもこれしかない。思わず、「これかー」っと声に出てしまう。でも、それを使うしかないので切れるなと念じながら握ってすぐ右のきれいなテープに握りなおす。でも、こちらも根元はボロハーケンでとても安心できない。高度感のあるトラバースを右へ進むとルンゼに到着。少しあがったところにある支点で切る。ビレイ解除と声を出すも全く聞こえている様子がない。ホイッスルを吹いたり、ロープを引っ張ったりしてなんとかビレイ解除をして登りだしてもらう。ちょっと時間をロスしてしまった。

もう少し工夫が必要だったと思った。

 

5P目(H)

すぐ上を右に上って左に進むとさっきの支点よりさらに安定した支点に到着した。

数mしか進んでいないがここから先が良く分からなかったので、一旦、切った。

 

6P目(H)

K田さんからこのままH本リードで進んでいいと言っていただいたので、お言葉に甘えてリードでいかしていただくことにする。

黒いスラブを進む。黒かったので分からなかったがちゃんとピンはあった。意外と簡単。突き当りのハング下に支点があったので、ここで切った。また、ハンギングである。

 

7P目(H)

ピンの少ない傾斜のあまりないスラブを進む。やがて、草の生えたスラブが見えたところに支点があったので、ここで切る。どこでも、傾斜が落ちるとピンが少ない。当たり前だが、ピンがないのは怖いものである。

 

8P目(H)

草の生えたスラブにはほとんどピンがない。こわ〜い。何とか途中まで進んだもののそこからルートが見えない。結構、うろうろして探してみたのだが、よく分からず、結局、K田さんに上がってきてもらう。

9P目(K)

さすがK田さん、こっちしかないだろうとどんどん進んでいく。最後は泥の壁を登って最終のテラスに到着である。

 

終了点にはS山さんとS形さんから先に降りると手紙が置かれていた。

やっぱり、早いなぁというかもっと早く登るようにしなきゃと思う。

 

登攀は終了した。しかし、ここからがたいへんだった。まずは、屏風の頭を目指してはい松をかきわけ、時には踏んづけて登っていく。踏み後はわりとはっきりしているので、迷うことはほとんどない。時々、岩を越えるのに分かりにくくなるぐらいである。

だけど、登攀終了後である。かなり、疲労していたようで途中でヘロヘロになりながら何とか2時間かけて屏風の頭に到着する。雷が東から近づいてきている。いっきに降るだすかもと思いつつ今日のビバーク地を探して屏風の頭から降りていく。

 

 

屏風の耳を越えたところに抜群にいいビバーク地を発見!

19:00 テントも十分に張れる広い場所でツエルト+レスキューシートを被ってビバークする。

ツエルトを張り終えたところで日が沈んだ。まさに丁度!

幸いにも雷雲もどこかに行ってくれたおかげで寝ることのできる快適なビバークである。

前回は、雨の中合羽もなくレスキューシートだけで震えながらのビバークだったが今回は、合羽も着てツエルトとレスキューシートを被って寝てすごせるなんて幸せなビバークである。さらにT田さんが真ん中で盛り上げてくれた。

朝、4時過ぎ東の蝶から朝日が昇ってきた。すごくきれいな夜明けである。

 

さっそく、ツエルトを片付けて涸沢へ降りていく。涸沢はまだガスの中だ。

前穂から槍まできれいに見える。屏風を登りきってビバークを終えたご褒美なのかまるで絵に描いたような景色が広がった。

 

 

 

 

 

途中、雪のトンネルや雪渓を越えて涸沢へ降りた。

 

 

 

 

涸沢で休憩をして横尾を目指す。今日はとてもいい天気だ。気持ちのいい青空をバックに奥穂や北穂がきれいに見えている。雪渓と青空のコントラストがなんともいえない。

 

 

涸沢から本谷橋を渡り、梓川の横を歩いていると真横に屏風が見える。今日は誰も登っていないようだ。

 

 

横尾ではS山さんが心配しながら待ってくれていた。昨日から何度か無線でコールをしていたのだが応答が帰ってこなかった。S山さんも同じようでこちらからのコールが一度聞こえたようだが、応答は届かなかったようだとのことだった。ただ、その聞こえた時のコールが落ち着いていたので、無事だろうと思っていたとのことだった。そうか、こちらに聞こえなくても聞こえていることもあるのだから、ただ待つだけでなくこちらの状況を話すと伝わることもあるのだと気づきました。

とりあえず、3人でカンパ〜イ!そのあと、横尾山荘でラーメンを食べる。普通のラーメンなのだがとてもうまい!T田さんはカレーである。そちらもうまそう。

そんなこんなでテントを撤収し、横尾を出発する。途中、徳沢でアイスを食べながら上高地に到着。自由人K田さんは小梨平で信州大学のテントでもう一泊していくということで、小梨平でお別れ。

徳沢で連絡しておいた宝タクシーに上高地から乗って車が止めてある平湯に。

 

この後、温泉にゆっくり浸かって大阪に出発・・・の予定だったのだが、早川さんから緊急メールが入っている。なんと、嫁が下山中転倒し、負傷して安曇野赤十字病院に運ばれたと。さっそく、安曇野赤十字病院に連絡をすると7針も縫う裂傷でこれから処置されるとのこと。S山さんがすぐに行こうと言っていただきS形さんとT田さんも賛成いただき、病院に迎えに行くことに。

とりあえず、さくっと風呂に入って安曇野赤十字病院に向かう。

嫁は下山中つまずいてこけたところに鉄くいが出ていてそれでむこうずねを切ってしまったようだ。

嫁を車に乗せてやっと帰阪した。

 

最後に、K田さんお誘いいただいた上にたくさんリードさせていただいてありがとうございました。K田さんと登ると本当に落ち着いて登ることができます。そして、K田さんとの屏風は2回目で2回完登できました。本当にありがとうございます。

T田さん、トレーニングにずっとお付き合いいただいてありがとうございました。次回は、ツルベで登りましょう。東稜もあります。そちらも登りましょう。これからもよろしくお願いいたします。

S山さん、S形さん、同行いただいてとても心強かったです。いつも相方と2人ということが多い私にとって、たくさんの方と登ることは少ないのですが、頼るつもりはなくても近くに仲間が登っていることは本当に心強いです。ありがとうございました。

 


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